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萠和山で小学生が火おこし体験!STEPの体験学習を見学してみた【岡山ひろみ】

こんにちは!町民ライターの岡山ひろみです。

先週、「「生きる力」を育む。ーSTEP(南十勝長期宿泊体験交流協議会)って何?」という記事が公開されました。そのSTEPが、昨年12月18日に大樹町の萠和山山麓にあるインカルシペ白樺という宿泊施設の敷地内で実施した「火おこし・調理体験学習」をご紹介します!

この日の気温は0度前後で冬にしては暖かく(※)天気は晴れ。少し風が強いのが気になりますが、絶好の体験学習日和です!

※大樹町の1月半ば〜2月半ばは最低気温がマイナス20度になるほど寒いので、0度は暖かい方なのです!(個人差があります)

▲山の中に佇むコテージ。過去に、白樺樹液採取の記事でも登場しています。

朝9時30分を過ぎると、保護者に連れられて参加者の子どもたちが続々と集まってきました。子どもといっても、小学1年生から小学6年生。大樹町を中心に、近隣の市町村から学年も学校もバラバラな小学生たちが集まりました。この日は、26名の小学生たちが5チームに分かれ、各チームに2名ずつ大人のスタッフがつき、活動を行いました。

ガムテープに名前を書いて、スノーウェアに貼れば名札に変身!STEPスタッフの野村智貴さん(のむさん)から活動内容の説明があり、各チーム内で自己紹介をしたあとに火おこし体験スタートです!

▲防寒着を着込んで参加する子どもたちと、スタッフののむさん。

今回の体験学習では、午前中は、薪ストーブを組み立て、そこで大人と一緒に薪で火をおこします。その火を使ってシチューをつくり、午後は子どもたちだけで火おこしに挑戦するという流れです。

まずは、薪ストーブの設置から。「だるま型」「達磨ストーブ」などと呼ばれているこの薪ストーブ。下にブロックを敷いて、煙突をつなげ、ストーブガードを設置します。

▲ストーブを準備しにきた子どもたち。
▲煙突も、子どもが持つととっても大きく感じます。

「風が吹いてくる方に薪ストーブの口を向けたら、よく燃えるよ」とサポートスタッフの一人がアドバイスをしていました。

▲ブロックの上にストーブを設置中。

薪ストーブの設置が済んだら、次はいよいよ火おこしです。
用意されたのは、細い薪と、中くらいの薪と、太い薪の3種類。

▲写真ではわかりにくいですが、細さごとに薪が分けられています。

のむさんから「新聞紙をグチャっと丸めて火をつけて細い薪に燃え移らせよう!」とレクチャーを受けましたが、果たして子どもたちは無事に火をつけられるでしょうか?

すると突然、とあるチームの子どもたちが林の中に走り出しました。何をしているのかと尋ねると、そこらじゅうに落ちている枝や、倒木した白樺の木の皮を集めているのだそう。

▲倒木した白樺の木を探す子どもたち。

「木の皮はね、燃えやすいんだよ!」と教えてくれました。”白樺の木の皮が燃えやすい”だなんて、私は大人になってから読んだマンガの登場人物であるアイヌの少女のセリフで知りましたよ…。そんなことも知っているのかと驚きながら、子どもたちの後を追います。

スタッフが用意した細い薪と中くらいの薪、新聞紙、そして拾った枝や皮を薪ストーブにセットしていきます。どうやら、拾った枝の中には、生木もあったようです。するとスタッフは「ポキポキ折れる枝が燃えやすいよ」とアドバイス。乾燥した枝だけ選別します。

▲薪ストーブの中に、新聞紙を入れています。

火を起こすためには、薪の組み方が重要です。午後は子どもたちだけで火おこしをするため、スタッフたちはしっかりレクチャーしたいのですが…ここは我慢です。子どもたちが自分で考えてチャレンジできるように、ついつい教えてしまいそうになるのをこらえ、厳選したアドバイスを伝えます。

▲倒木した白樺の木からとった皮を入れています。

まずは丸めた新聞紙と木の皮を一番下に。その上には細い薪や、拾った枝をのせ、山型にします。あとは火をつけたマッチを入れて、新聞紙が燃えればいいのですが…マッチに火をつけるのも一苦労。なぜなら、その日はかなり風が強かったからです。

▲マッチに挑戦中。

気温0度前後の寒い中、手袋を脱いだ小さな手で一生懸命マッチをこすります。マッチに火は点くものの、薪ストーブの中に入れるまでに風で消えてしまうようです。「もう少し薪ストーブの近くでマッチを使ったら?」と口を出したくなる気持ちを抑え、見守ります。すると、同じチームの子たちが風除けになる位置に移動したのです。それでもなかなか火が点かず、新聞紙が燃えるまでに30本ほどのマッチを消費していましたが、子どもたちの試行錯誤と成功体験を間近で見ることができました。

▲無事、火をおこせました!

火が点いたら、昼食を作る「シチュー担当」と、火を絶やさず燃やし続ける「ストーブ担当」に分かれます。

シチュー担当は、配られたレシピを元に、必要な材料を選んで野菜を切っていきます。

▲配られたメニューです。美味しく作れるかな?
▲メニューに書かれた材料を揃えました。

初めてシチューを作る子もたくさんいました。みんな、小さな子ども用の包丁をしっかりと握り、一生懸命野菜を切ります。慣れない手つきで野菜を切る姿にハラハラしてしまい、思わず「左手は猫の手だよ!!」としきりにアドバイスしてしまいました。自分が子どもの頃に夕飯の手伝いをしていた時の、親の気持ちを初めて知りました。

▲ソーセージの切り方にこだわるチーム。
▲調理は、インカルシペ白樺のバーベキューハウスで行われました。

一方で、ストーブ担当の子どもたちは元気いっぱい!「ストーブの下の雪が溶けてる!」と薪ストーブが雪を溶かすほどの熱を発していることを発見したり、煙突から出ている煙を見て「この煙ってCO2とCOどっち!?」とスタッフに質問をしたり。

ストーブ担当が燃やし続けた火を使って、シチューの具材を炒めはじめました。

火加減が簡単にできるガスコンロと勝手が違い、難しそうです。野菜を炒めることに集中しすぎて火が消えかけていることに気が付かなかったり…中には料理そっちのけで野山を駆け巡る子も。どんな味になるのか楽しみですね!

▲煮込んでいる間に、デザートのチョコバナナも調理します。
▲ルーを入れたら、完成!
▲熱々のうちに、みんなで食べます。
▲私もいただきましたが、とっても美味しかったです!

さて、シチューを食べたら、午後からは子どもたちだけで火おこしに挑戦です。まずは、チームごとに薪や枝を集めることからスタート。

▲枝を拾い放題!燃えやすそうな枝はあったかな?

午前中に学んだことを振り返りながら、自分たちで火を点けていきます。火おこしなんて、新聞紙から細い木に火を移していけばいいだけ。いいだけなのに、なかなかうまくいきません。分かったつもりなのと、実際にやってみるのでは、大きな差があることを実感しているようです。なぜうまく火が点かないのか?いろんな仮説を立てながら、何が足りないのか考えて自主的に動いています。

大人たちは、口を出したい気持ちを必死に抑え、見守ります。

とあるチームは、なかなか火が点かず、苦戦を強いられていました。覗いてみると、枝の上に新聞紙を置いているので、新聞紙から枝に火が燃え移らないことが原因のようです。何度やっても新聞紙が燃えるだけ…だんだんと子どもたちの顔に焦りが見えてきました。でも、諦めません。「もう少し細い木を入れてみよう!」「蓋を閉めてみよう!」「新聞紙を入れてみよう!」と、何度も何度も挑戦し、なんとか子どもたちだけで火を点けることができました!

薪ストーブに火が点いたあとは、子どもたちがそれぞれ用意してきた、とっておきのおやつを炙って楽しんでいました。マシュマロやアルフォート、とうきび、キャラメル、焼き芋などなど…自分たちでおこした火で食べるおやつは最高に美味しいことでしょう。もしかしたら、子どもたちが一番真剣な目つきをしていたのは、マシュマロを炙っているときかもしれません。大樹町には、マシュマロ焼き職人がたくさんいるようです。

▲これくらいが、外はかりかりで中はとろ〜りな焼き加減だそうです。

さて、片付けも終えて、全体で振り返りです。スタッフののむさんからは「失敗しても、次に成功させるにはどうしたらいいだろう?と考えてみてね」とメッセージがありました。

最後まで火が点かなかったチームに、感想を聞いてみました。
「初めて火おこしして、(えんとつから)すぐに煙でてこなくて、それが大変だった」
「自分たちだけで火おこしできて嬉しかった」
とのこと。きっと、困難に直面した体験も、それを自分たちの手で乗り越えた経験も、忘れられないでしょう。挑戦し、試行錯誤し、やり遂げる。そうやって子どもたちは成長していくんですね。

▲最後にみんなで記念撮影!

STEPでは、1年を通して日帰り・宿泊体験の企画運営を行っています。大樹町にあるカムイコタンキャンプ場での2泊3日のキャンプや、広尾町の菊地ファームでの酪農体験などなど多くの体験学習が目白押しです!

STEPの活動に興味を持った方には、開催プログラムを随時メールでお知らせいたします。下記QRコードまたはメールにてご登録ください。

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また、子どもたちと一緒に活動をしてくれるボランティアスタッフも随時募集中です。詳細は下記リンク先をご覧いただき、お気軽にお問い合わせください。

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