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なんてことのない、冬の楽しみ【岡山ひろみ】

こんにちは!町民ライターの岡山ひろみです。
前回は、『大樹町の冬1年目の奮闘記〜除雪編〜【岡山ひろみ】』にて除雪の洗礼を受けた話を書きました。しかし後日、大量の雪が降り(1日で75cm積もったようです)、「あれは序章に過ぎなかった…」と思ったのでした。


大樹に限らず、北海道の冬は長いです。1年のうち5ヶ月間くらいは「寒い〜〜〜」と言っている気がします。大樹に引っ越してからは、生まれて初めて−20度を下回る世界を経験しました。
よく−20度にもなると鼻毛が凍ると聞きますが、実際は吸った空気が冷たすぎて肺も凍ってしまうような感覚になります。北海道弁で「しばれる」という厳しい寒さを表す言葉があります。−20度を下回る世界はまさに「しばれる」。強烈な冷たさが私を囲い、口から気管を通って体内に侵入してきて、某人気鬼退治マンガの敵キャラである上弦の弐と闘うとこんな感じなのではないだろうか…と思います。ちなみに自分の鼻毛が凍っているかは確認できませんでした。

−20度ほどにもなると、よく水道管が凍って破裂するなどという声を聞きます。我が家はまだ凍ったことはありませんが、大樹に住み始めてからは自然の力強さを実感することがよくあります。そうして、すっかり忘れていたとある先輩の言葉を思い出すのです。

まだ私が東京に住んでいた頃、アスファルトとビルに囲まれた環境が辛すぎて「いつかは北海道に帰りたい、自然が恋しい」とよく口に出していました。東京生まれ東京育ちの先輩は私の言葉を聞いて「どうして?自然って怖いじゃん」と言ったのです。自然が怖い?確かに大きな地震や津波、台風など、私たち人間が手出しできない驚異はあります。ですが、私にとって、自然は寄り添うもの、コントロールできないから上手く付き合い方を探すもの、でした。

北海道の冬もまさにそれです。雪も寒さも人を殺すことだってあります。怖いかもしれないですが…その中で生きていこうと思っています。どうせ生活していくのであれば、耐えるのではなく上手く付き合いたい。この−20度でも楽しめることはないかな…と考えて思いついたのが、アイスキャンドルづくりでした。

寒さを楽しみに変えてみる、ちょっとした遊び

場所は変わって、北海道の上の方に「下川町」という町があります。東京23区と同じくらいの広さがあるのに、3,200人程しか住んでいない町です。過去、下川町のくらしごとツアーに参加したときに見せてもらったのが、寒さを利用して作ったアイスキャンドルでした(リンクは当時の私のブログに飛びます)。

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これが当時撮影したアイスキャンドル。
作り方は、うんと寒くなる夜に、バケツに水またはお湯を入れて外へ出しておきます。水は水面から凍っていくので、底は凍らずに丸く穴が空いている状態の氷ができます。翌日にバケツの中から氷をゆっくり丁寧に出し、凍らなかった水を捨て、逆さまにして置きます。そうすると、上から円柱状に穴が空いたキャンドルホルダーのようになるのです!当時、下川町で私にアイスキャンドルを教えてくれた方が「−20度くらいいかないと凍らないんですよ」と言っていたのを思い出し、早速挑戦してみました!

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町内のホーマックで売っている、バケツ。水よりもぬるま湯のほうが綺麗にできると聞いて、43度のぬるま湯を入れてみました。よーく見ると、猫毛が浮いています。

いろいろとネットを漁った結果、丸一日置いたほうがよいと分かったため、とにかく放置!その翌日、少し暖かくなって(日中0度、夜−10度くらい)氷が溶けてしまったので、とにかく放置!結果、2〜3日放置しました。

その結果、こちら!

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放置しすぎてしまい、バケツの底まで凍ってしまいました…天井部分は凍らない想定だったのに、これではキャンドルを入れられません。しかし、どうやら中心部は凍らず水が入っているようです…天井さえこじ開ければなんとかなりそう!とにかくマイナスドライバーで穴を開けます…かなり強引です。

そして!イメージしてたキャンドルは売っていなかったので、非常用のろうそく!!!

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ちなみに外は−14度くらいです。

ドキドキしながら火をつけてみると…できたー!!!!!

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背景が残念な感じですが、できました!氷を通して見る炎って、実はとても美しいんです。

どうでしょうか。なかなかきれいですよね?

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たくさんつくって、我が家の雪山の上に置いてキャンドルナイトをしたいなと企んでいます。きっと綺麗だと思うんですよね。2月って、おそらく1年で一番しばれる時期です。アイスキャンドルづくりにはもってこいの、−15度〜−20度の気温が続きます。

翌日、少しだけ気温が暖かくなり、あっという間にアイスキャンドルは崩れてしまいました。再び寒い日を狙って作りましたが、次は凍りすぎて失敗。なかなか思い通りにいかないものです。なんだかこの試行錯誤が、自然豊かな場所での生活を象徴しているような気がしませんか?怖い自然、強い自然がある中で、ちょうどよい距離感で、楽しさに変える。だからこそ、氷を通して眺めるろうそくの灯りがこんなにも美しく感じるのだと思います。

大樹の冬は、寒いだけではありません。しばれる朝には樹霜(じゅそう)といって、雪化粧ならぬ氷化粧をした美しい木々が並ぶ日があります。雪が降ったあとは、ショートケーキの生クリームのようななめらかな雪原を見ることができます。その中に動物の足跡を探す面白さも。なんてことのない冬の楽しみがたくさんあるんです。みなさんも、冬の楽しみを見つけに、大樹に遊びに来ませんか?

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